パズル


「ブ−ス!」「このデブが!」

ずっと、言われ続けていた
私が、嫌で嫌で溜まらない言葉。
悔しくて、悲しい言葉。
言われるたびに、胸が裂けそうだった・・・

ずっと昔から言われていた。
たしか、物心がついた頃には、
多分もう言われていたと思う。
ちっちゃいころから、
周りの男の子たちは、
意味もわからないだろうその言葉を私に言い続けていた。

数年たった今でも、
男子にそう言われる。
でももう別に気にしない。
だって、何年も何年も同じことを言われ続けているんだから、
さすがにもう聞きなれるでしょ?
だから気にしない。
だって、今更あからさまに悲しんだって、
言った奴の思うつぼでしょう?
奴等があたしの悲しむ姿を見て、
その醜い乾いた心を潤すんでしょ。

何てレベルの低い奴等なんだろう。
あたしが気にしないと、もっと酷いことを言う。
何て醜いの?

でも・・・でも、本当に醜いのはあたし?

だって、何度苦しいことを言われても、
最後はあたしのせいだと思ってしまう。
あたしが綺麗になれば・・・
美しくなれば奴等も何も言わないでしょ?
って、

自分を追い詰めるんだ。

「あのデブが?ブスのくせに・・・」

そんな声が聞こえる。
あたしじゃないかもしれない・・・

それでも、

(またあたしの心が張り裂けた。)

粉々になったあたしの心。
所々角がなくて、
ピ−スが上手く埋め込めない。

今すぐ泣きたい、
今此処で大きな声で泣いたら・・・

(また何か言われるんだろうな、)

こんな自分がキライ。
でも、奴等が憎い。

裂けて砕けて粉々になって、
それでも誰かを責められないあたしは、
今日も何かを言われて、
今日も傷つくんだろうか、

バラバラのピ−ス、
まるで、
ハンプティ・ダンプティ。
童話そのもの。

全てのピ−スはあたしの心で、
埋めるのはあたし自身が、

変わる、
ワタシ、


もう、何を言われても構わない・・・