例えば、


何度も何度も、祈ったことがあったの。
アナタがもし、私のことが好きならば−・・・と。



告白したのは私で、
あの日から、付き合いだした私たち。
でも・・・、
付き合っていたと思い込んでたのは、
もしかして私だけだったの?

季節は、これから春に入ろうとする時期、2月
そして、今日はその中でも特別な日。
私は今日、これから思いを打ち明けに行って来るよ、
多分、ずっと好きだった人。
自分の思いに気がついたのは、まだ最近のことだけど、
この思いはきっと、本物だと思うから・・・、
アナタは私のことなんて、どうせただの友達としか思ってないかもしれない・・・
でも、今まで私が秘めていた思いを知って?
今、伝えにいく。
私の気持ち。

思いをこめた甘いお菓子を手渡して、
少し照れていたアナタ。
だから、思い込んでしまう、
やっぱりアナタも私のこと好き−・・・?
って、

教室に戻ろうとしたアナタを引き戻して、
「好きなんですけど・・・」
そう言った。
可愛げのない言葉。
精一杯の私の気持ち。

沈黙が流れた。
暫くしてアナタが言った言葉は、
私の期待を裏切って、とても切なかった・・・

「・・・それって、付き合うってこと?」

うん。そうだよ、

「いいよ別に、俺好きな人とかいないから、」

そう・・・なんだ、

失恋じゃないけど、失恋みたい。
切ないね、苦しいね、
恥ずかしかった・・・

でも、ちょっぴり嬉しくて、
これからの学校が楽しみになったよ・・・

でも、それからアナタと一言も話さないまま、
私たちは新しいクラスになって、
何もしないまま、何も話さないまま、
自然消滅みたいになってる

『さようなら、ほんとに好きだったんだ』

私の大好きなアナタの走る姿にそっと声をかけた、
グラウンドにいるアナタには聞こえない。

ほんとに、大好きだった
違うな、今でもほんとは・・・「     」

こんな私が嫌になる。
一時の"本物"をありがとう、


これから私は、
アナタへの思いを忘れてしまう


例えば、アナタが私のことを好きだったとしたら、
私は今、世界中の誰よりも幸せだったと思う。
でも、それは例えばの話で、
例えばと本物は違うから。

例えば、アナタが私のことが好きで、
今、私がアナタの隣で笑っていられたら・・・?



実現不可能。