いつものように


いつものように笑っていられたならば、
頬に伝うこの涙、
悲しみという意味ではなかったはず・・・


私は・・・
答えを出せなかったんだ
貴方はどうしてそこにいるの?

笑えなかった私が悪いのに、
時の流れって凄く早いね。
もう、貴方のとなりには他の人がいる。

ねぇ、
今私の頭の中では
いくつもの"たとえば"が流れているよ、

たとえば、これはただ私にヤキモチをやかせるためだとか、
たとえば、あの人はまだ私のことが好きだよね?とか。

頬に伝うのは一滴。
それ以外は絶対に流さない。
冷たい雫は地に落ちて、
貴方の足元も濡らしてしまえばいいのに、


笑えなかったのは私。
笑わなかったのも私。
どこかでもう終わりだと思っていたはず。

あの人は泣いていた。
私がいつものように笑うことによって、
それも笑顔に変えられたのに

頬に伝うこの涙、
喜びの輝きとは正反対の、
くすんだ苦い響が流れる。

悲しみを叫んだ私の瞳、
写すのはあの人の偽者。


終幕の鐘を鳴らしたのは私。